<未来食つぶつぶ講座28>人間本来の食を求めて-②

②見知らぬ食べ物たち

 

栃木県の田舎にあった私の母の実家の村には肉屋も魚屋もありませんでした。

その座敷で行われた結婚式のメインディッシュは油揚げの煮つけでした。

町工場を営む若夫婦の我が家の毎日の食事は、ちゃぶ台の上のご飯、味噌汁、漬物に煮物や冷奴や納豆の繰り返しでした。

そこに、それまで見たことも食べたこともなかった食べ物が押し寄せるようにやってきました。

 

味の素もコンソメもチーズもマヨネーズもケチャップも、コンソメスープもカレーも、バターもはちみつも、ハンバーグも、ブロッコリーも無かったのです。

パン屋も途中からできました。

生クリームのケーキなど存在しませんでした。

 

押し寄せる変化の洪水に翻弄されて大人になった私は、この洪水を積極的に楽しもうという気持ちと、なんとも言えない違和感を感じる自分とがいつも葛藤していました。

 

そして、その違和感は日増しに現実のものになって出現し始めたのです。

 

 

つぶつぶグランマゆみこ
つづく(2/3)

 

 

 

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