真木千秋の羽衣との出会い
My Encounter With Angel Robe Made By Chiaki Maki
2013/09/28 3:38 PM 羽衣/身衣
2006年夏、
10日間続いた不思議な高熱が下がったその日、
ふと、手に取ったハガキに目が止まりました。
高熱とは言っても体は元気だったので、その間も寝込むことも無く
いくつものセミナーや取材をこなしてほっと一息、
長野から東京へ戻る前のカフェのカウンターにそのハガキがありました。
たくさんの色が織り合わさった
透ける輝きを持ったストールの写真に惹き付けられました。
なんだか、心が騒ぐのです。
あとで「風羽」という名前だと知りました。
真木テキスタイルスタジオのシルクの服とストールの
展示販売会のハガキでした。
会場は新幹線で隣の駅の上田の郊外。
気になりながらも、やっと下がった熱のせいで
汗もかかずさわやかだったのが、
一気に「下界に戻った」みたいな感じで、
蒸し暑さに汗ばむ状態になっていました。
そのせいか、何となくのだるさが押し寄せていたので
ハガキをポケットにしまい、
「さあ帰ろう」と決めて新幹線に乗りました。
それなのに、気がついたら
上田の駅のタクシー乗り場に居る私。
その間の記憶が消えていました。
タクシーがすーっとやってきて
はがきに書いてあったギャラリーの名前を伝えると
良く知っていると言いながら動き出しました。
いつの間にか寝てしまい、
起こされて、農家の庭のようなところに下ろされたのです。
「あれ、こんなところにギャラリーなんてあるの?」
辺りを見回して路頭に迷っていたら
塀の向こうから白髪のおじさんが声をかけてくれました。
ぐるっと回ったところにその農家の蔵があり、
その奥がギャラリーになっていました。
入って行くと、「ゆみこさん!ですよね」
と声をかけられてびっくり。
ギャラリーを運営している女性が
つぶつぶのファンだったのです。
シンプルな中にきらめきのあるシルクの
ストールと服を次々と手に取り、試着しながら、
どれもが、手で紡がれ、手で織られていること、
グレーから生成り色、金色までのバリエーションは
ほとんど天然の色、
インドの野生の繭のシルクだということ。
を教えてもらいました。
そしてピッタリのタッサーシルクのパンツとタンクトップと
ハガキに載っていたオレンジに見えるたくさんの糸を織り込んである
ストール「風羽」を羽織ったとき、
それまで味わったことのない、軽くて温かくて包み込むような
新鮮で心地よい衣服の感触がそこにありました。
パンツもタンクトップもあつらえたようにピッタリのサイズ、
その上に風羽をまとったとき、
「天女の羽衣」
というイメージが浮かびました。
なぜか、あたらしい私への天からのプレゼントだと感じました。
つぶつぶ24年目の10日間の高熱、
その最中はなぜか
鳳凰=火の鳥が私の中に居る
と感じていました。
火の鳥の炎に焼きつくされて、私の細胞全部が生まれ変わった、
そんな気分になっていたのです。
あたらしい私には、あたらしい衣が必要です。
絶妙のタイミングであたらしい衣服が届いたなあと、
感動でした。
オーナーデザイナーの真木千秋さんに出会うのは、
ずっとあとでした。
会ってみたら、千秋さんの夫は、私がギリシャの旅で出会って
ところどころで同じ旅程をシェアした男性たちの中の一人
だったことがわかったのです。
エーゲ海のサントリーニ島をいっしょに目指した
数人の日本人の中に彼が居ました。
2年前にヒマラヤの麓のganga工房を訪ねた時の写真です。
向かって左から2番目が真木千秋さん、
ganga工房の責任者ラケシュとそのお父さん、
そして、千秋さんの夫のパルバさんです。
日本には、武蔵五日市市に竹林Shopがあります。
10月1日まで、つぶつぶカフェで展示販売会が開催中です。
http://www.tsubutsubu.jp/news/